leed ソルバー

leed は M.A. Van Hove氏により作成された SATLEED を用いて、原子位置などからRocking curve を計算し、実験で得られた Rocking curve からの誤差を \(f(x)\) として返す Solver です。 SATLEED に関する詳細については [SATLEED] をご覧ください。

[SATLEED]

M.A. Van Hove, W. Moritz, H. Over, P.J. Rous, A. Wander, A. Barbieri, N. Materer, U. Starke, G.A. Somorjai, Automated determination of complex surface structures by LEED, Surface Science Reports, Volume 19, 191-229 (1993). https://doi.org/10.1016/0167-5729(93)90011-D

前準備

最初に SATLEED をインストールします。 http://www.icts.hkbu.edu.hk/VanHove_files/leed/leedsatl.zip へアクセスし、zipファイルをダウンロードします。zipファイル展開後に、所定の手続きに従いコンパイルすることで、 stal1.exe, satl2.exe などの実行ファイルができます。 SATLED は計算したい系の詳細によって、ソースコードのパラメータを適宜書き換える必要があります。 sample/py2dmat/leed にあるサンプルを実行する場合には、 SATLEED のダウンロードから、サンプル向けのソースコードの書き換え、コンパイルまでを自動で行うスクリプト setup.sh が用意されています。:

$ cd sample/py2dmat/leed
$ sh ./setup.sh

setup.sh を実行すると、 leedsatl ディレクトリに satl1.exesatl2.exe が生成されます。

py2dmat から SATLEED を利用するにあたっては、あらかじめ satl1.exe まで実行していることが前提となります。そのため、以下のファイルが生成されている必要があります。

  • satl1.exe の入力ファイル: exp.d, rfac.d, tleed4.i, tleed5.i

  • satl1.exe の出力ファイル: tleed.o , short.t

py2dmat はこれらをもちいて satl2.exe を実行します。

入力パラメータ

solver セクション中のサブセクション config, reference を利用します。

[config] セクション

  • path_to_solver

    形式: string型

    説明: ソルバー satl2.exe へのパス

[reference] セクション

  • path_to_base_dir

    形式: string型

    説明: - exp.d, rfac.d, tleed4.i, tleed5.i , tleed.o , short.t が格納されたディレクトリへのパス。

ソルバー用補助ファイル

ターゲット参照ファイル

ターゲットにするデータが格納されたファイル。 [reference] セクションの path_to_base_dir 中にある tleed4.i を編集します。最適化したい数値を optxxx (xxxは000, 001, 002, ...の形式で指定する三桁の整数)として指定します。なお、xxxの数字と py2dmat の最適化する値を入れる変数のリストの順番・個数は一致させる必要があります。なお、IFLAG, LSFLAGを0にしない場合はsatleed側での最適化も行われます。

以下、ファイル例を記載します。

1  0  0                          IPR ISTART LRFLAG
1 10  0.02  0.2                  NSYM  NSYMS ASTEP VSTEP
5  1  2  2                       NT0  NSET LSMAX LLCUT
5                                NINSET
1.0000 0.0000                  1      PQEX
1.0000 2.0000                  2      PQEX
1.0000 1.0000                  3      PQEX
2.0000 2.0000                  4      PQEX
2.0000 0.0000                  5      PQEX
3                                NDIM
opt000 0.0000 0.0000  0           DISP(1,j)  j=1,3
0.0000 opt001 0.0000  0           DISP(2,j)  j=1,3
0.0000 0.0000 0.0000  1           DISP(3,j)  j=1,3
0.0000 0.0000 0.0000  0           DISP(4,j)  j=1,3
0.0000  0                         DVOPT  LSFLAG
3  0  0                          MFLAG NGRID NIV
...

出力ファイル

leed では、 計算時に出力されるファイルが、ランクの番号が記載されたフォルダ下に一式出力されます。