はじめに¶
2DMATとは¶
2DMATは,順問題ソルバーに対して探索アルゴリズムを適用して最適解を探すためのフレームワークです. 順問題ソルバーはユーザー自身で定義することが可能です. 標準的な順問題ソルバーとしては2次元物質構造解析向け実験データ解析ソフトウェアが用意されています. 順問題ソルバーでは原子位置などをパラメータとし得られたデータと実験データとのずれを損失関数として与えます. 探索アルゴリズムを組み合わせ, この損失関数を最小化することで, 最適なパラメータを推定します. 現バージョンでは, 順問題ソルバーとして量子ビーム回折実験の全反射高速陽電子回折実験(Total-reflection high-energy positron diffraction ,TRHEPD,トレプト)[1, 2]に対応しており, 探索アルゴリズムはNelder-Mead法[3], グリッド型探索法[4], ベイズ最適化[5], レプリカ交換モンテカルロ法[6]が実装されています. 今後は, 本フレームワークをもとにより多くの順問題ソルバーおよび探索アルゴリズムを実装していく予定です.
[1] レビューとして, Y.Fukaya, et al., J. Phys. D: Appl. Phys. 52, 013002 (2019); 兵頭俊夫,「全反射高速陽電子回折 (TRHEPD)による表面構造解析」,固体物理 53, 705 (2018).
[2] 順問題ルーチンは, 東北大学 花田貴によって開発されたコードに基づき作成しています. T. Hanada, H. Daimon, and S. Ino, Phys. Rev. B 51, 13320 (1995).
[5] ベイズ最適化には, PHYSBO を用いてます.
[6] K. Hukushima and K. Nemoto, J. Phys. Soc. Japan, 65, 1604 (1996), R. Swendsen and J. Wang, Phys. Rev. Lett. 57, 2607 (1986).
ライセンス¶
Copyright (c) <2020-> The University of Tokyo. All rights reserved.
本ソフトウェアは2020年度 東京大学物性研究所 ソフトウェア高度化プロジェクトの支援を受け開発されました。 2DMATを引用する際には以下の文献を引用してください。
バージョン履歴¶
v1.0.1 : 2021-04-15
v1.0.0 : 2021-03-12
v0.1.0 : 2021-02-08