4.1.5. 計算条件のパラメータ

  • 2S

    形式 : 正の整数(デフォルト値は1)

    説明 : スピン模型での局在スピンの大きさ\(S\)の2倍を指定します。 (例/ \(1/2\)スピンならば1)

  • Restart

    形式 : 文字列("None", "Restart_out", "Restart_in", "Restart"のいずれか。デフォルトは"None")

    説明 : 再計算に関する設定を行う。 "None"では再計算に関連するファイル出力をしない。 "Restart_out"では一から計算を始めて、 反復が終了した時点で再計算用のデータをファイル出力する。 "Restart_in"では再計算用のデータをファイルから受け取り途中から計算を始める。 "Restart"では再計算用のデータをファイルから受け取り途中から計算を始め、 反復が終了した時点で再計算用のデータをファイル出力する。

  • Lanczos_max

    形式 : 整数(デフォルト値は2000)

    説明 : ランチョスステップの上限、LOBCGステップの上限、 TPQステップ数、時間発展ステップ数、BiCGステップの上限を指定します。

  • initial_iv

    形式 : 整数(デフォルト値は-1)

    説明 : 初期条件のベクトルを与えます。

    • ランチョス法

      • カノニカル集団かつ initial_iv \(\geq 0\)の場合

        ノンゼロの成分が指定されます。

      • initial_iv \(< 0\)の場合

      乱数のシードが指定され、全ての成分に対して係数がランダムに与えられます。なお、グランドカノニカルの場合は初期状態として多くの状態を持つよう、こちらの様式が適用されます。

    • TPQ法

      乱数のシードが指定され、全ての成分に対して係数がランダムに与えられます。

    初期ベクトル設定の詳細については、アルゴリズム を参照ください。

  • exct

    形式 : 整数(デフォルト値は1)

    説明 : method="Lancoz"ではエネルギーの低いものから数えて、 何番目の固有状態を計算するかを指定します。 method="CG"の時には求める固有状態の本数を指定します。

    Note: nvec \(>=\) exct を満たす必要があります。

  • LanczosEps

    形式 : 整数(デフォルト値は14)

    説明 : ランチョスの収束判定条件を指定します。 ひとつ前のステップの固有値との相対誤差が, \(10^{-{\tt LanczosEps}}\)以下になったら収束したと判断します。 method="CG"の時には残差ベクトルの2-ノルムが \(10^{-{\tt LanczosEps}/2}\)以下になったら収束したと判断します。

  • LanczosTarget

    形式 : 整数(デフォルト値は2)

    説明 : エネルギーの低いものから数えて、 何番目の固有値でランチョスの収束判定を行うかを指定します。

  • LargeValue

    形式 : 実数(デフォルト値は下記参照)

    説明 : (TPQ法のみで使用) \(l-\mathcal{H}/N_{s}\)\(l\)。 ハミルトニアンの各項の係数の絶対値の総和をサイト数で割ったものがデフォルト値になります。 cTPQ計算では, LargeValue は虚時間発展の刻み幅として使われます( \(\Delta\tau=1/LargeValue\)). \(\Delta\tau\) の定義はアルゴリズムの章を見てください(アルゴリズム) 。

  • NumAve

    形式 : 整数(デフォルト値は5)

    説明 : (TPQ法のみで使用)独立なrunを何回行うかを指定します。

  • ExpecInterval

    形式 : 整数(デフォルト値は20)

    説明 : (TPQ法のみで使用)相関関数の計算を何回のTPQステップおきに行うかの指定。 頻度を上げると計算コストが増大するので注意してください。

  • OutputMode

形式 : "none", "correlation",

"full"のいずれか(デフォルトはcorrelation)

説明 : 計算を行う相関関数を指定します。 "none"の場合は相関関数を計算しません。 "correlation"を指定した場合には、付属のユーティリティ fourierでサポートするものに対応した相関関数を計算します。 詳しくはdoc/fourier/内のマニュアルを参照してください。 "full"を指定した場合には、 1体部分はすべての\(i, j, \sigma, \sigma'\)について \(\langle c_{i \sigma}^{\dagger}c_{j \sigma'} \rangle\)を、 2体部分はすべての\(i_1, i_2, i_3, i_4, \sigma_1, \sigma_2, \sigma_3, \sigma_4\)について \(\langle c_{i_1 \sigma_1}^{\dagger}c_{i_2 \sigma_2} c_{i_3 \sigma_3}^{\dagger}c_{i_4 \sigma_4} \rangle\) を計算します。 スピン系の演算子はBogoliubov表現により生成消滅演算子で表されています。 詳しくは Bogoliubov表現 をご覧ください。

  • InitialVecType

    形式 : 文字 ("C", "R"のいずれか。 デフォルトは"C")

    説明 : 固有ベクトルの初期値の型を指定する。 Cでは複素数型、Rでは実数型とする。

  • EigenVecIO

    形式 : 文字列("None", "Out", "In"のいずれか。 デフォルトは"None")

    説明 : 固有ベクトルの入出力を指定する。 "None"では固有ベクトルの入出力を行わない。 "Out"では求めた固有ベクトルをファイルに出力する。 "In"では固有ベクトルをファイルから取り出し、 その後の計算(動的グリーン関数など)を行う。

  • OutputIO

    形式 : 文字列 ("None", "Out", "In"のいずれか。 デフォルトは"None")

    説明 : (FullDiagのみ有効) ハミルトニアンの入出力を指定します。 "None"では 入出力なし。 "Out"では出力あり。 "In"では入力あり。

  • OutputExcitedVec

    形式 : 文字列 ("None", "Out"のいずれか。 デフォルトは"None")

    説明 : (動的グリーン関数を計算するモードの場合のみ有効) 励起ベクトルの出力の指定を行います。 "None"では 出力なし。 "Out"では出力あり。