6.2.2. DSQSS/PMWAの入力ファイルの作成

PMWAを実行するには,テキスト形式の入力ファイルが必要です. 入力ファイルでは計算条件を指定するパラメータと ハミルトニアンを指定するパラメータの二種類があります.

以下, 入力ファイル例を記載します

RUNTYPE = 0
NSET   = 10
NMCS   = 10000
NPRE   = 10000
NTHERM = 10000
NDECOR = 10000
SEED  = 31415
NC    = 0
NVERMAX = 10000000
NWORMAX = 1000
latfile   = lattice.xml
outfile   = sample.log
CB      = 2
G       = 0.3
U       = 0
V       = 3
t       = 1
MU      = 2
NMAX    = 1

各パラメータの意味は下記の通りです.

  • 計算条件のパラメータ

    Parameter type 備考
    RUNTYPE int 計算モード(0: 通常計算,1: リスタート計算)
    CB int 初期配置 (0: Vacuum,1: Checker-Board,2: Random)
    NSET int モンテカルロ計算の繰り返し数
    NMCS int 物理量計算に用いるモンテカルロスイープ数
    NPRE int 1スイープあたりのワーム生成試行回数を決めるための事前計算につかうモンテカルロステップ数
    NMCSE int 初期緩和に用いるモンテカルロスイープ数
    NMCSD int 測定間のモンテカルロスイープ数
    SEED int 0以上の場合は実際に使用するシード,負の場合は乱数でシードを与える.
    NVERMAX int バーテックスの最大数 (デフォルト数 \(10^8\) ),-1の場合は上限なし.
    NWORMAX int ワームの最大数 (デフォルト数 \(10^3\) ),-1の場合は上限なし.
    SFINPFILE str 入力された場合,本ファイルで指定されたStructure Factorsを計算する.
    SFOUTFILE str 入力された場合,Structure Factorsを指定したファイルに出力する(デフォルトはsf.out).
    Step_x int 相関関数を計算する場合の空間幅を与える(デフォルト:1).
    Step_k int 波数表示の相関関数を計算する場合の波数空間幅を与える(デフォルト:1).
    CFOUTFILE str 入力された場合,相関関数を指定したファイルに出力する(デフォルトはcf.out).

ここで,NVERMAX,NWORMAXについては自動でリサイズして決定します(ver. 1.2.0で実装).

  • 相互作用関連のパラメータ

PMWAではハードコアボソン系(サイトに最大1つのボソン)とS=1/2のXXZ模型について計算可能です.ハードコアボソン系のハミルトニアンは

\[\begin{split}{\cal H} &= -t_{b} \sum_{\langle i, j\rangle}b_i^{\dagger} b_j + U_{BB}\sum_i n_i(n_i -1) +V_{B1}\sum_{\langle i, j\rangle} n_i n_j \\ &+\mu\sum_i n_i-\Gamma\sum_i(b_i^{\dagger}+b_i),\end{split}\]

で与えられます.ここで \(\langle i,j \rangle\) は最近接のペアを表します. S=1/2のXXZ模型は

\[{\cal H}^{XXZ} = -J_{xy} \sum_{\langle i, j\rangle}(S_i^x S_j^x + S_i^y S_j^y)-J_z\sum_{\langle i, j\rangle}S_i^zS_j^z-H \sum_{i}S_{i}^z -\Gamma \sum_i S_i^x,\]

で与えられます. 入力ファイルで指定するパラメータと上記式のパラメータは以下のように対応しています.

Parameter Boson Spin
t \(t_b\) \(J_{xy}\)
U \(U_{BB}\) -
V \(V_{B1}\) \(J_{z}\)
MU \(\mu\) \(H\)
G \(\Gamma\) \(\Gamma/2\)

各パラメータはdouble型で指定します.