チュートリアル¶
順問題ソルバーとして用意されている sim_trhepd_rheed
は東北大学の花田貴先生によって開発された
物質反射高速(陽)電子回折(RHEED, TRHEPD)の解析ソフトウェアをベースに作成されています。
TRHEPDでは原子座標を与えた場合に、回折データがシミュレーション結果として与えられます。
そのため、原子座標から回折データへの順問題を取り扱っているといえます。
一方、多くの場合回折データは実験で与えられ、それを再現するような原子座標などが求められます。
これらは上記の順問題に対して、逆問題に相当します。
本ソフトウェアでは逆問題を解くためのアルゴリズムとして
minsearch
Nealder-Mead法を用いもっともらしい原子座標を推定
mapper_mpi
与えられたパラメータの探索グリッドを全探索することで、もっともらしい原子座標を推定
bayes
ベイズ最適化を用いもっともらしい原子座標を推定
exchange
レプリカ交換モンテカルロ法を用いてもっともらしい原子座標をサンプリング
pamc
ポピュレーションアニーリング法を用いてもっともらしい原子座標をサンプリング
の5つのアルゴリズムが用意されています。
本チュートリアルでは、最初に順問題プログラム sim_trhepd_rheed
の実行方法、
その後に minsearch
, mapper_mpi
, bayes
, exchange
, pamc
の実行方法について順に説明します。
また、制約式を用いて探索範囲を制限出来る [runner.limitation]
セクションを使用した実行方法も説明しています。
最後に、自分で順問題ソルバーを定義する簡単な例について説明します。