5.4. DLA の出力ファイル¶
5.4.1. フォーマット¶
DLA は計算結果を行区切りのプレーンテキストファイルで出力します. 行頭の文字はその行の意味を表します.
P <name> = <value>
- 入力パラメータファイルと格子ファイルから読み取ったパラメータ.
R <name> = <mean> <error>
- 計算で求められた物理量.
<mean>
は平均値を,<error>
は標準誤差を示します. I <text> = <value>
- その他計算中に得られた情報.
C <text>
- コメント.
以下にサンプル(反強磁性ハイゼンベルグ鎖)を示します.
C This is DSQSS ver.1.2.0
P D = 1
P L = 8
P BETA = 10.0000000000000000
P NSET = 10
P NMCSE = 1000
P NMCSD = 1000
P NMCS = 1000
P SEED = 198212240
P NSEGMAX = 10000
P NVERMAX = 10000
P NCYC = 7
P ALGFILE = algorithm.xml
P LATFILE = lattice.xml
P CFINPFILE = cf.xml
P SFINPFILE = sf.xml
P CKINPFILE = sf.xml
P OUTFILE = res.dat.000
P CFOUTFILE = cfout.dat.000
P SFOUTFILE = sfout.dat.000
P CKOUTFILE = ckout.dat.000
P SIMULATIONTIME = 0.000000
R anv = 3.03805000e+00 1.25395375e-02
R ene = -4.55991910e-01 1.20267537e-03
R spe = -1.76672204e-02 4.09064489e-02
R len = 1.20014021e+01 4.78403202e-02
R xmx = 3.00035053e-01 1.19600800e-03
R amzu = -2.00000000e-04 1.08972474e-04
R bmzu = -2.00000000e-04 1.08972474e-04
R smzu = 1.32382500e-03 1.40792745e-04
R xmzu = 1.32382500e-02 1.40792745e-03
R amzs = -9.25000000e-04 4.02247160e-03
R bmzs = -2.03918502e-04 2.22828174e-03
R smzs = 8.72503175e-01 8.93939492e-03
R xmzs = 3.00500011e+00 2.99056535e-02
R time = 9.01378000e-08 1.61529255e-09
I [the maximum number of segments] = 123
I [the maximum number of vertices] = 66
I [the maximum number of reg. vertex info.] = 3
以下の物理量定義に現れる記号の意味を示します.
- Ns
- サイト数.
- Q(→k)
格子点 i 上で定義される任意の演算子 Qi のフーリエ変換.
Q(→k)≡1√NsNs∑iQie−i→ri⋅→k
- Q(τ)
虚時間 τ における演算子.
Q(τ)≡exp[τH]Q(τ=0)exp[−τH]
- ˜Q
- 任意の演算子 Q について, 虚時間方向の平均 1β∫β0dτQ(τ)
- Mz
- 局所自由度の量子化軸方向成分. たとえばスピン系では局在スピン演算子の z 成分 Sz で, ボース粒子系では数演算子 n です.
- M±
- Mz の昇降演算子. スピン系では M±≡S± , ボース粒子系では生成消滅演算子 M+≡b† および M−≡b .
- Mx
- 非対角秩序変数. スピン系では Mx≡(S++S−)/2 , ボース粒子系では Mx≡(b+b†) .
- T
- 温度.
- β
- 逆温度.
- h
- Mz に共役な外場. スピン系では縦磁場, ボース粒子系では化学ポテンシャル.
- ⟨Q⟩
- 任意の演算子 Q のグランドカノニカル平均.
5.4.2. メイン出力¶
メイン出力ファイルは, 入力パラメータファイルの outfile
キーワードで指定した名前で出力されます.
anv
平均バーテックス数.
⟨Nv⟩Ns
ene
エネルギー密度.
ϵ≡1Ns(E0−T⟨Nv⟩)
spe
比熱.
CV≡∂ϵ∂T
len
- 平均ワーム長さ.
xmx
- 横感受率.
amzu
「磁化」(uniform, τ=0).
mz≡1NsNs∑iMzi としたときの ⟨mz⟩ .
bmzu
- 「磁化」(uniform, τ 平均). ⟨˜mz⟩ .
smzu
構造因子(uniform).
Szz(→k=0)≡1Ns∑i,jei→k⋅(→ri−→rj)[⟨MziMzj⟩−⟨Mzi⟩⟨Mzj⟩]|→k=0=Ns[⟨(mz)2⟩−⟨mz⟩2]
xmzu
縦感受率(uniform).
χzz(→k=0,ω=0)≡∂⟨˜mz⟩∂h=βNs[⟨(˜mz)2⟩−⟨˜mz⟩2]
amzs
「磁化」("staggered", τ=0)
mzs≡1NsNs∑iMzicos(2πmtype(i)Nmtype) としたときの ⟨mzs⟩ . ここで mtype(i) は i サイトの測定種類(格子ファイル参照), Nmtype は測定種類の総数.
bmzu
- 「磁化」("staggered", τ 平均). ⟨˜mzs⟩ .
smzs
構造因子 ("staggered").
Szz(→ks)=Ns[⟨(mzs)2⟩−⟨mzs⟩2]
xmzs
縦感受率 ("staggered").
χzz(→ks,ω=0)=βNs[⟨(˜mzs)2⟩−⟨˜mzs⟩2]
5.4.3. 構造因子出力ファイル¶
構造因子出力ファイルは, 入力パラメータファイルの sfoutfile
キーワードで指定した名前で出力されます.
このファイルには虚時間構造因子
が出力されます. 波数 →k や虚時間 τ の値は, 物理量名を用いて
R C0t0 = 1.32500000e-03 1.40929454e-04
R C0t1 = 1.32500000e-03 1.40929454e-04
R C1t0 = 7.35281032e-02 3.18028565e-04
のように C<k>t<t>
という形で区別されます.
ここで <k>
は構造因子入力ファイルの kindex
(SF
タグの最終要素) で指定される波数のインデックスで,
<t>
は離散化した虚時間のインデックス.
5.4.4. 実空間表示温度グリーン関数出力ファイル¶
実空間表示温度グリーン関数出力ファイルは, 入力パラメータファイルの cfoutfile
キーワードで指定した名前で出力されます.
このファイルには温度グリーン関数
が出力されます. 変位 →rij や虚時間 τ の値は構造因子と同様に,
C<k>t<t>
という形で物理量名によって区別されます.
ここで <k>
は実空間温度グリーン関数入力ファイルの kind
(CF
タグの第一要素) で指定される変位のインデックスで,
<t>
は離散化した虚時間のインデックス.
5.4.5. 波数表示温度グリーン関数出力ファイル¶
波数表示温度グリーン関数出力ファイルは, 入力パラメータファイルの ckoutfile
キーワードで指定した名前で出力されます.
このファイルには温度グリーン関数
が出力されます.
波数 →k や虚時間 τ の値は構造因子と同様に,
C<k>t<t>
という形で物理量名によって区別されます.
ここで <k>
は波数表示温度グリーン関数入力ファイルの kindex
(SF
タグの最終要素) で指定される変位のインデックスで,
<t>
は離散化した虚時間のインデックス.