7.1. st2abics
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abICS 入力ファイル の [config]セクション を比較的簡単に作成するために、
st2abics
ツールを使うことができます。これはpymatgenで読める原子構造ファイルを読み取り、
[config]
セクションを埋めたabICS入力テンプレートファイルに変換します。元の構造ファイルからどのようにして
config.base_structure
と config.defect_structure
を構成するか指定するため、 st2abics
専用の制御ファイルが必要です。
st2abics
は以下のように使用します:
$ st2abics -h
usage: st2abics [-h] inputfi structurefi [outfi]
Prepare abICS config from structure file
positional arguments:
inputfi toml input file for st2abics
structurefi Structure file that can be read by pymatgen Structure.from_file() method
outfi Output file to be used as abics input. Defaults to standard output
optional arguments:
-h, --help show this help message and exit
例がいくつか examples/st2abics
に用意されています:
$ cd examples/st2abics
$ st2abics st2abics_MgAl2O4.toml MgAl2O4.vasp abics_MgAl2O4.toml # spinel
$ st2abics st2abics_CuZn.toml CuZn.vasp abics_CuZn.toml # brass
$ st2abics st2abics_BZY.toml BaZrO3.vasp abics_BZY.toml # Y-doped BaZrO3
結果として得られたファイル(上記の例では abics_MgAl2O4.toml
, abics_CuZn.toml
, abics_BZY.toml
)は、
[sampling]
, [mlref]
, [train]
, [observer]
セクションのキーワードが空になっており、
これらを記入した後、abICSの入力として使用することができます。
7.1.1. 入力フォーマット¶
st2abics
の入力ファイルの例は、 examples/st2abics
にあります(上の例では st2abics_CuZn.toml
, st2abics_MgAl2O4.toml
, st2abics_BZY.toml
)。
フォーマットはabICS入力ファイルの [config]
セクションに似ています。
7.1.2. キーワード¶
supercell
形式 : list型
説明 : スーパーセルの大きさをリスト形式 [ \(\bf{a}, \bf{b}, \bf{c}\) ] で指定します.
[[config.base_structure]]
セクションここでは、モンテカルロ計算中に格子サイト間で原子を交換しないbase_structureを指定します。
species
形式 : 文字列のlist
説明 : base_structureの原子種。対応する座標は入力構造ファイルから自動的に抽出されます。
fix
形式 : bool型 ("true" or "false")
説明 : base_structureの局所的な緩和を行わない場合true、行う場合はfalseに設定する。
[[config.defect_structure]]
セクションこのセクションは、配置サンプリングを行う副格子を指定します。 複数の
[[config.defect_structure]]
セクションが存在しても構いません。 例えば、陽イオンの配置サンプリングを行う副格子と、陰イオンの配置サンプリングを行う副格子を指定することが できます。site_center_species
形式 : 文字列のlist
説明 : 元の構造ファイルに含まれる原子種のうち、配置サンプリングを行う格子サイトと対応するもの。
[[config.defect_structure.groups]]
サブセクションこのセクションでは、配置サンプリングを行う格子サイト上に配置される原子グループを指定します。もしこのセクション がない場合は、
site_center_species
を基に、入力された構造ファイルから自動的に構築されます。name
形式 : 文字列
説明 : 原子グループの名前。
species
形式 : 文字列のlist
説明 : 原子グループに属する原子種のリスト。 デフォルト値は、[
name
]です。 元の構造ファイルに含まれない原子種も指定できます。 さらに、空のリスト[]
で格子欠陥を表現できます。 例として、サンプルにあるst2abics_BZY.toml
を参照してください。coords
形式 : listのlistのlist あるいは文字列
説明 : 原子グループがとることのできる配向ごとの原子グループ内の各原子の座標(入力ファイルのcoords定義 参照 )。 デフォルト値は[[[0.0, 0.0, 0.0]]です。
num
形式 : int
説明 : このセクションで指定した原子グループの数。スーパーセル内のサイト数に応じた数を指定してください。